全国大会に春夏合わせて44回出場経験があり、夏は3度の準優勝経験がある熊本工は、川上哲治さん(元巨人)をはじめ多くのプロ野球選手の母校としても知られる。
その伝統校を現在率いているのは、野球部の卒業生でもある田島圭介監督だ。
現在は3年生でも雑用をこなし、後輩が先輩に意見を言うこともある。だが、自身の高校時代は理不尽なルールが残っていた。
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高校時代「3日ぐらいでやめようと思った」
高校野球は2年3カ月しかありません。その間、勉強ができる、練習もできる、生活もできるという環境を作ることが、私たち指導者の役目です。
選手たちには「選手評価(自己分析)」というものを3カ月に1回ほどの目安で書かせています。
「送球の強さ・安定力」「守備で周囲を見て準備する力」「相手との駆け引き(人心掌握)」など20項目で、各10段階評価。それを選手らが、いま自分は何段階にいるのか、その評価についてのコメントを書いてもらいます。書かれた内容について、私がアドバイスをします。
用紙の裏だけではなく、自分の用紙を加えて書く部員もいます。ベンチ入りしている選手の方が過小評価してくるので「もっと欲を出してもいいのに」と感じることもあります。
生活面では3年生でも、掃除などの雑用をこなします。いまの主将は昨夏の甲子園大会に出場したメンバーですが、先輩たちにプレーについて平気で指摘をしていました。
ただ、私が高校生のころは違いました。
長崎市の出身ですが、熊工(…